「目に見えない力」を育てる!注目を集める非認知能力

「目に見えない力」を育てる!注目を集める非認知能力

「うちの子には、いろんなことに挑戦して、たくましく育ってほしい」

そう思ったことはありませんか?
最近、「非認知能力(ひにんちのうりょく)」という言葉が注目されています。ちょっと聞き慣れないかもしれませんが、これはテストの点数では測れない、子どもの“心の力”のことです。

 

 非認知能力ってなに?

 非認知能力とは、たとえばこんな力のことです。

・すぐにあきらめずにやり抜く力
・自分に自信を持ち、人を思いやれる心
・感情を落ち着かせる力
・好奇心やチャレンジ精神
・友だちとうまくやっていく力 

これらは、テストの点やIQとは違って目に見えにくいですが、実は子どもが将来、勉強や仕事、人生そのものに向き合ううえでとても大切な土台になります。

 

 小学校入学前がゴールデンタイム!

3歳から6歳の今、この時期こそが「非認知能力」を育てるのに最適です。

この時期の子どもは、遊びの中で感情や社会性をどんどん吸収します。「うまくいかないけどやってみよう」「友だちと一緒にやろう」「ちょっと我慢して待とう」――こうした経験が、心の力を育てていくのです。

たとえば、知育教室や英語レッスンも良いですが、それと同じくらい、いやそれ以上に「自由な遊び」「人との関わり」「成功も失敗も体験できる時間」が大切です。

 

■ どうやって育てる? 家庭でできること

子どもの非認知能力は、特別な教材がなくても育てることができます。大切なのは、親の関わり方です。以下のようなことを意識してみましょう。

「がんばったね」を大切に

結果よりも、「がんばった」「工夫した」といったプロセスに目を向けて声をかけてあげてください。
→「うまくいかなくても、やってみたことがすごいね」と伝えることが、やり抜く力になります。

② 感情に寄り添う

 泣かないで」「そんなことで怒らないの!」ではなく、「悲しかったね」「怒っちゃうよね」と子どもの気持ちに共感することで、感情のコントロール力が育ちます。

 やってみたい気持ちを応援する

 「まだ早いよ」「危ないからやめておこう」ではなく、「どうやってやる?」「手伝おうか?」と、挑戦をサポートしてください。失敗も大切な学びです。

 

 何がいいのか迷ったら

 もし「子どものために何かしてあげたい」と思ったら、非認知能力を育てる体験をさせてあげてみてください。

・自然の中での体験(キャンプ、山登り、川遊びなど)
・自由に創作できる場所(絵画教室、工作ワークショップなど)
・他の子と関われる場(少人数の習い事、親子グループ活動など)

「何を学ぶか」よりも、「どう感じて、どう動いたか」に注目するような体験が、心を豊かにし、生きる力になります。

山登りする親子
■ まとめ

非認知能力は、育てるのに少し時間がかかります。でも、この力が身についた子どもは、将来どんな場面でも前向きに生きていけるはずです。

子どもが泣いたり、わがままを言ったり、友だちとぶつかったり――そんな毎日の小さな出来事こそが、非認知能力を育てるチャンスです。

 目に見えないけれど、きっと子どもの未来を支えてくれる力。
それが「非認知能力」なのです。

最後に、非認知能力を育てる体験学習を分かりやすくご紹介します。

 

🔹 自己肯定感・やり抜く力を育てる体験

● クッキング体験(親子で料理)
失敗も成功も含めて「やってみた」経験が自信になります。
→例:おにぎりをにぎる、クッキーを型抜きする、野菜をちぎる

● 簡単な工作・ものづくり
自分のアイデアで自由に作る経験が、自信と創造性を育てます。
→例:ダンボールで秘密基地、紙皿で仮面づくり、木の枝でアート

 

 🔹 協調性・共感性を育てる体験

グループでのごっこ遊びやキャンプ
「自分の気持ち」と「相手の気持ち」を行き来する体験。
→例:親子キャンプ、英語ごっこ遊び、リトミックや演劇ごっこ

● 小動物や植物の世話
思いやりや継続する心を育てる。命の大切さにも触れられます。
→例:家庭菜園、金魚・カブトムシ・犬猫の世話

 

🔹 自制心・感情コントロールを育てる体験

 順番やルールがあるゲーム
勝ち負けを受け入れる経験、我慢する力が育ちます。
→例:すごろく、イス取りゲーム、ボードゲーム

● 簡単なお手伝い
うまくいかないことを「工夫してやり直す」体験が自制心に。
→例:お皿並べ、タオルたたみ、買い物メモを一緒に確認

 

🔹 好奇心・探究心を育てる体験

 自然体験
遊びの中で発見があり、「なんだろう?」「もっと見たい」という探究心が育ちます。
→例:森の中でどんぐり探し、川遊び、虫取り、石拾い

● 科学あそび・実験ごっこ
驚きや疑問が自然にわき、考える力を伸ばします。
→例:色水遊び、片栗粉スライム、ペットボトルロケット

 

🔹 計画性・自己管理力を育てる体験

 目標を決める活動
「できるかな?」「やってみよう」と自分で考えることが大切。
→例:「今日は自分で服を選んで着る」「一人で朝顔に水をあげる」

習い事の送り迎えを一緒に管理
自分で準備する、時間を意識することが身につきます。
→例:「今日は◯時に出発」「レッスンの前にトイレ」などを一緒に確認

 

どんな体験も、「楽しかったね」「悔しかったね」「がんばったね」と親が気持ちを言葉にしてあげることで、非認知能力がしっかり育ちます。

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